京カエルのラブストーリー

最高を知らないと変われない

エル・シャンで働かせていただくようになってから約半月のころ、会社のことを知るために、商品を一通りただいたことがありました。自転車の籠がいっぱいになって、たかだか十分少々の帰り道に、苦労したことを覚えています。

どれから試せばいいのか分からず、とりあえず僕は、小さいものから試していくことにしました。どんなものでもそうだと思いますが、大は小を兼ねるというのは嘘です。小さいものには小さいものにしかない良さがあります。目についたのは、2つの京カエルでした。コンパクトで、デザインもかわいい。

まず、歯磨き粉のほうから試すことにしました。もちろん、歯ブラシは「お口の中が喜ぶ歯ブラシ」です。率直に言って衝撃的でした。これは本当に歯磨き粉なのかと疑ってしまうほどで、僕は真剣に、一度吐き出すかどうか悩みました。(いまだにうまく表現できないのですが、多分、塩辛さにやられたのだと思います)僕は音速で歯みがきを終えました。いつもだったら15分はかけます。いつの間にか歯みがき粉が消えているほど長く、歯ブラシをくわえていることもあります。その僕が、一瞬で歯みがきを終えてしまいました。不思議だったのは、それでも「磨いた」という感覚があったからです。僕には歯みがきを終えてから、口内を舌で一周する習慣があります。段違いに、歯の表面がツルツルしていることが分かりました。もちろん、歯の触り心地だけで効果を図ることはできません。でも、たくさん唾液が出たからでしょうか、全体的に口の中がすっきりしていました。京かえるは「食べられる素材だけでできた歯磨き粉」です。歯ブラシをくわえっぱなしにする僕にはうってつけです。歯みがきに時間がかかる方にこそ、この歯磨き粉をおすすめしたいです。使っているうちに味にも慣れます。

石鹸には、歯磨き粉のようなショックはありませんでした。少しだけ溶かして顔に塗り、まんべんなく広げてから、冷水で叩くようにして落とします。水が冷たいと、そういう意味でのショックはありましたが、あとは本当に穏やかなものでした。洗顔料はひりひりするものが多いですが、京かえるはまったく、塗っていてストレスがなかったのです。肌に馴染むという言葉の意味を、僕は初めて理解しました。足される感覚ではなく、引き出される感覚とでもいえばいいでしょうか。僕も知らない場所に眠っていた養分が、京かえるによって引き出されたのです。今まで使っていた洗顔料に不満があったわけではありません。でも京カエルを使ってしまうと、戻れなくなってしまいます。知らない世界を知るということは、多分、そういうことです。今まで鏡を見る習慣はありませんでしたが、京かえるを使うようになってから、僕はお肌の状態を確認するようになりました。

京カエルがエル・シャンの創業商品で良かったです。ザ・ウォーターも、ソマチッドも、もちろん素晴らしい商品だと思うのですが、僕はやっぱり、京カエルが好きです。京カエルをご注文いただけたときは、密かにテンションが上がっています。これからも、京カエルをよろしくお願いいたします。